Forestry

自然保護活動

森林から工場まで、自然保護活動を実践しています。

Taylor Guitarsはギターメーカーとして限りある自然を守るべき企業の一つでありたいと考えています。
環境保護の責任を真意に受け止め、ユーザーがテイラーギターを購入する際に最高レベルの品質でありながらも環境への配慮も怠ることを忘れません。

Taylor Guitarsにとって、エコマネジメントは単なる法的遵守を超えています。これは、より革新的な方法で天然資源を使用、廃棄物を削減し、長期的な可用性を促進するためにギターを改良すると同等に大切だと考えています。
持続可能な林業の実践を継続するために、先住民族の森林に恵まれた非営利団体であるグリーンウッド・グローバルのような環境団体と先駆的なパートナーシップを結びました。

Taylor Guitarsはまた、全社レベルで大規模なリサイクル活動を実践しています。2011年には厚紙を35トン、紙製品を2万ポンド以上、プラスチックラップ、プリンタートナー、電子機器などをリサイクルしました。
これによりスクラップされた木やおがくずの多くは現地の木工協会に寄付され、残りはメキシコ・ティファナの孤児の玩具に姿を変えます。

エボニー (黒檀) はアフリカ中部、マダガスカル、インドなどの熱帯雨林に自生する黒色の硬い木材です。古くから家具やピアノの鍵盤などに珍重され、 ギターやバイオリンの指板材としても大変ポピュラーな木材です。しかし長年破壊的な伐採が続いたことで、エボニーの森は次々に壊滅し、今ではアフリカのカメルーンのみが合法的にエボニーを輸出できる唯一の国となってしまいました。

エボニーの危機と感じたボブ・テイラーは2011年スペインの企業との合弁でカメルーンの木材加工工場を買収します。買収して初めてわかったことはエボニーの 90% は漆黒ではないということでした。切り倒したエボニーのうち90%は、クリーム色や灰色の部分が混じっているという理由で廃棄されていたのです。外観的な違いだけで、漆黒なエボニーと白い部分がブレンドされたエボニーに材質やサウンドの違いはありません。

このまま漆黒なエボニーだけを選んで使っていくと、数年のうちに伐採禁止となってしまいエボニーの国際取引ができなくなるだろうと感じたボブ・テイラーは、全ての伐採したエボニーを外観にかかわらず地元伐採業者から同一の価格で買い取ることにしました。まだら模様のエボニーが、本来の杢目として、むしろクールなものとしてアピールすることができるだろうと考えたのです。
そしてこのまだら模様のエボニーに ”スモーキーエボニー” と名前を付けフラッグシップの800シリーズに、敢えて積極的に使用していくことにしたのです。

エボニープロジェクトとはコンゴ盆地研究所(CBI)と共同でエボニーの生態をより理解し、地域主導の植樹活動を通してエボニーを増やす熱帯雨林復元計画です。このプロジェクトでは3年間で15,000本の苗木を植樹するのに加え、参加コミュニティーに対して果物の木や薬効のある木などを提供します。

またカメルーンで地域社会、森林、そして究極的には未来への投資となる新しいモデルとなる社会的林業を行います。Taylor Guitarsが、ただ資源を調達するのではなく、現地での技術指導や新しい機械の導入などで地元の産業として根付かせること、またエボニーが持続可能な資源となるようにすることを究極の目的としています。

また2020年のNAMMショーにおいて、テイラー社はBuilder’s Edition から新たに4モデルの発売を発表いたしました。Builder’s Edition は2018年にマスタービルダーのアンディ・パワーズがサウンド同様、手触り、弾き心地も素晴らしい特別な次世代のテイラーギターとして制作したコンセプトギターシリーズです。今回新しく発表された4モデルのうちのひとつBuilder’s Edition 324ce にはサイド&バック材にはこれまで聞いたことがない新しい木材 “Urban Ash” という木材が使用されています。
「都市の森」(Urban Forest)という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 都市の森とは都市圏の道路や学校、公園などに景観・環境のためなど目的をもって植えられた樹木達です。現在アメリカの大きな都市部には推定55億本の樹木が生えています。郊外を含めると700億本もの数と言われています。これらの樹木は木自体の寿命や悪天候による倒木、区画整理などによって除去しなければならないとき、管理している自治体は多くの場合伐採した木材を薪や肥料などの比較的価値の低い製品に変えるか、もしくは廃棄処分にしてきました。アフリカ・カメルーンでのEbony Project やハワイでのコア原生林の復元など、環境保護活動に熱心に取り組んできたTaylor Guitarsは数年前から熱帯など特定の地域の森林生態系の負担を軽減するために、都市木材からギターを作るというアイディアを模索していました。

そこでTaylor Guitarsは地元カリフォルニアの都市部の樹木管理を自治体から依頼されている企業 West Coast Arborists Inc(WCA)を訪問します。WCAは自治体からの要請に応じて木を取り除くほか、毎年18,000~20,000本もの植栽を行っている企業です。GPS追跡やデータを組み込んだ独自のソフトウェアで1千万本を超える樹木を1本1本管理するなど最先端の技術を持っています。また都市の樹木を保護するために「ストリート・ツリー・リバイバル」という都市型木材リサイクル事業をたちあげるなど環境保護にも熱心に取り組んでいる企業です。
Taylor GuitarsはWCAが伐採してストックしていた木材をいくつか持ち帰り、ギター製作に適したトーンウッドがあるか、重量・密度・安定性・乾燥特性などを検証しました。その結果マスタービルダーのアンディ・パワーズはひとつの木材を選びました。それは地元の街路樹としてポピュラーな Shamel Ash と呼ばれる木材で、南カリフォルニアの気候に適している樹木として60~70年前に植栽されたメキシコ原産のMexican Evergreen Ash でした。この木材はアッシュの一種ですが、エレキギターによく使われるSwanp Ashとは違います。 重量があり、密度が高く、加工がしやすい。そのトーンは「良質なヴィンテージのマホガニーを連想させる」とアンディ・パワーズをうならせました。そしてTaylor Guitarsはこの木材に ”Urban Ash” と名付けて新しいBuilder’s Editionのモデルに使用することにしました。
人類はこれまで熱帯の森林を乱獲して多くの種を絶滅に追いやってきました。使われてこなかった都市の森林の木材に新たな価値を持たせ有効利用することで、新たな産業の創造とともに熱帯の木材の使用量を減らすことができるでしょう。Taylor GuitarsとWCAの連携はまだ初期段階にありますが、両社は会社の歴史(創業した年がほぼ同じ)、革新的な考え方、および環境への責任の推進者としてビジネスを利用したいという意思など多くの共通点を持っています。「環境保護活動を長く続けていくためには、ボランティアではなくビジネスとして成り立つ仕組みを作ることが重要だ」とテイラー社の創始者ボブ・テイラーはかねてから発言していました。Builder’s Edition 324ce への”Urban Ash” の使用はまだ序章に過ぎません。WCAとのパートナーシップは、新たな都会の木材の利用モデルの構築と、都市の森林保護への貢献につながるとTaylor Guitarsは考えています。